今回は、「買ってはいけない金融商品」です。いよいよ生命保険編の佳境に入ってきました。前回の話題は、個人年金でしたが、今回は生命保険の転換についてお伝えします。
昨年は生命保険会の破綻の当たり年でしたが、今年もいくつかの生命保険会社が危ないと言われています。
破綻の原因は、バブル期にたくさん集めた生命保険と運用利回りの逆ざやと言われています。つまりバブル期の保険契約が高い運用利回りを契約者に支払わなくてはいけないのに対し、生命保険会社の最近の運用成績は超低金利の金融情勢が原因で、その高い利回りを上回る事が出来ていないという状況が、この様な状況を招いてしまっている訳です。
さて、その様な状況で危ない生命保険を守る手段はあるでしょうか?
私が生命保険会社の経営者だったら、バブル期に契約した高い予定利率の生命保険の契約を、現在の低い金利水準の予定利率に何とかして変えてもらうことを考えます。
しかし、現在の法律では一方的に予定利率を下げる事は認められていません。 そこで、どうするかと言えば予定利率の低い現在の保険商品に加入しなおしてもらいます。しかし、現在の保険商品では予定襟率は低い訳ですから同じ物を単純に提案しても加入者は絶対に乗り換えてくれません。
従って、保険会社としてはちょっと見た所は加入者に有利と思わせるような条件を提示してきます。その手段は、新しい保険商品が発売されたのでそれを勧める場合や、更新型の定期付き終身保険に加入している場合などは、保険料が上がる時期に保険料を下げる提案をして来るなど、様々です。
どちらにしても、従来の保険は解約(下取)する提案を保険会社はしてきます。その時点で従来の保険契約は消滅する事になります。生命保険会社はバブル期以前の高い予定利率から解放されますので、保険会社にとっては、保険の転換は現在では最重要の営業項目になっています。
(それに、日本ではこれだけ生命保険が普及しましたので、余程保険嫌いの人以外は、何らかの保険に加入してしまっています。若者の人口も減っていますし、新しく保険に加入する人を見つけるのは結構大変ですね。)
ここでちょっと復習をしておきますと、保険の基本パターンは定期保険、終身保険、養老保険の3種類でした。
(1)定期保険は一定の定められた期間を保証する保険で、満期金はありません。従って、貯蓄性はあまりありません。
(2)養老保険は同じく期間が定められていますが、保険金と同額の満期金が支払われます。養老保険が貯蓄性が最も高くなっています。
(3)終身保険は期間を定めない保険です。満期金はありませんが、かなり貯蓄性も備えています。
さて先ほど述べました予定利率は、この貯蓄性のある部分に適用されます。従って、保険会社の都合だけを言いますと、養老保険や終身保険は貯蓄性が高いですから、バブル期以前の養老、終身保険は出来るだけ減らしたいと考えています。
養老保険は10年前には大手生命保険会社では既に主流ではありませんでしたので、現在のターゲットは主に終身保険です。
さて、保険の転換の具体例を挙げておきます。
15年前に契約した定期付き終身保険、被保険者30歳(契約時)
終身保険 1000万円
定期保険 2000万円
を次の様な保険に転換したとします。被保険者45歳(現在)
終身保険 100万円
定期保険 3900万円
この様な提案の説明としては、「お子様が大きくなって大学に行く様になれば、ご主人の経済的な責任も大きくなります。従って保険も大きい金額が必要になります。また教育費も大変でしょうから保険料も下がる方が良いですよね。」と言った感じでしょうか?
確かに当面の保証金額は、3000万円から4000万円に上がり、保険料は多分かなり下がると思います。しかし、実際には貯蓄性の高かった終身保険が削られてしまっていますので、もし60歳以降にこの終身保険を解約して、老後資金として生かそうとしても、終身保険は1/10になってしまっています。
15年も前に受けた保険契約の時の保険は貯蓄代わりにもなりますよという説明などは、すっかり忘れているのが普通だと思います。ただ、加入している保険にどのくらいの貯蓄性があるかを把握しているだけでも、保険の転換によって損する可能性はかなり低くなりますので、保険の3つの基本形はしっかりと覚えておきましょう
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