買ってはいけない金融商品で、今回はちょっと元に戻りまして証券系の商品で、ライフサイクルファンドを取り上げます。
日本版401(k)と呼ばれる確定拠出年金の制度を作る為の法案が現在国会で審議中です。この法案は既に1年以上前に国会に提出されたまま棚ざらし状態になっています。この法案はサラリーマンには給与からの拠出ができない事や非課税枠が小さすぎるとの批判がありますが、金融業会としては、この法案を受けて年金運用のシステムを構築していたのですが、国会の不作為(どこかで聞いた言葉ですねえ。)でシステムはほとんど稼動していないのが現状です。
この法案が成立するのが前提で、既に商品開発が先行して行われています。その一部は「ライフサイクルファンド」と呼ばれる商品名で一般向けに販売されている商品もあります。
一口にライフサイクルファンドと言っても、色々な性格を持った商品がありますが、今回買ってはいけない商品は長期の運用を全てお任せするタイプのライフサイクルファンドです。
この商品の特徴は、株式と債券を組み合わせたバランス型の投資信託で、投資家の年齢に合わせて若いときは株式の比率を高めて積極運用し、年齢を重ねるにしたがって債券の比率を次第に高めていくという運用方針を持つ事です。
その根拠は一般投資家が若い頃には株式の比率を高くしておいて、積極的に運用益を上げる事を目指す事ができそう。さらに長期投資が可能なのでリスクも取れるという事で株式の組み入れ比率を多くしてもOKという事でしょう。
そして、齢を取れば、安全運転に切り替えて債券(多分国債がメインになるでしょう)にシフトしていく。高齢になれば、リスクは取らない方が良いという謳い文句です。
多分かなり多くの証券会社は、このライフサイクルファンドを日本版401(k)=確定拠出型年金のメイン商品として売り込んで来ると思います。
しかし、一見非常にリーズナブルに見えるこの商品は確定拠出型年金で買っては(選んでは)いけないと考えます。もちろん個人年金代わりに長期投資する事も止めた方が良いでしょう。
その根拠は
(1)ライフサイクルと景気サイクルは一致しない
ライフサイクルは当然個人によって違います。しかし、投資が良いパフォーマンスを上げるには当然景気サイクルに合わせた投資対象を選ぶ事が重要です。今の様に景気が悪く株式市場が低迷してる時には株式の比率を高めておかないと、景気が回復した場合に高いパフォーマンスを得る事はできません。逆にバブルの絶頂期に高金利の債券に投資された人は、(郵便貯金の定額貯金に預けた人も同じです)10年間は非常に有利な運用が出来たわけです。
従って、あらかじめこの様な投資方針を組んでしまうライフサイクルファンドに頼る事は景気サイクルに従った投資の機会を放棄するという事に等しい訳です。その時の経済情勢に合わせて投資する事は非常に重要です。いくら年齢が上がった時期と言っても、ほとんどの債券運用では上げられるパフォーマンスも上がらなくなってしまいます。
また今の様に債券に投資してはいけない時期にも強制的に債券投資をさせられてしまいます。
(2)ライフサイクルファンドも新規設定の投資信託
新規設定の投資信託は「買ってはいけない」事はかなり前にお伝えしました。このライフサイクルファンドも全く同じ事が言えると思います。
一生お付き合いする事になると思って始める投資信託ですから、運用実績をしっかり確認した上で投資するか決定しなくてはいけないと思います。
以上の2点から、現在は新規設定されるお任せ型のライフサイクルファンドは「買ってはいけない」事になります。 |