国債は国が発行している債券の事です。債券とはどの様な性格を持っているかを説明しないと、なぜ長期の国債を買ってはいけないかを、理解できないと思いますので、債券の説明からさせていただきます。
債券は借用証書の一種です。お金を借りたい人(国債の場合は国)が、債券を発行し、この債券を購入した人は、債券を発行した人にお金を貸し付けたと見なす事が出来る事になります。
債券には、額面金額、償還期限、表面利率等が記載されています。また債券は普通の借用証書と違い、自由に転売が可能です。その際の価格は、その時の市場の実勢価格に基づきます。債券にも市場がありまして、主に国債が売買されています。
債券の利回りの計算ですが、新規発行の債券の場合は、表面利率とほぼ同じになります。発行してから時間が経った既発の債券の場合は、市場でついた値段と額面価格の差を利回り換算した物と、表面利率と足した物が債券の利回りと考える事が出来ます。(この利回りを最終利回りと呼びます)
つまり、債券が値下がりしている場合には、最終利回りは高くなります。逆に債券が値上がりしている場合には最終利回りは低くなっしまいます。
具体的な計算方法は次の式で計算します。
額面(100)−購入価格
表面利率 + ―――――――――――――
償還年限
最終利回り= ――――――――――――――――――――×100
(%) 購入価格
例として表面利率4%、残存期限5年、購入価格95円の場合には最終利回りは
4%+(100円−95円)/5年
――――――――――――――――――×100 =5.623%
95
また同じ債券を105円で購入した場合の最終利回りは
4%+(100円−105円)/5年
――――――――――――――――――×100 =2.857%
105
となります。
この計算式でも債券の価格が上がれば利回りが低下し、価格が下がれば利回りが上昇する事が確認する事が出来ます。
さて現在の日本国内の金利情勢ですが、皆さんもご存知の様に超低金利が続いています。つまり債券価格はもう非常に高騰している状態です。短期金利を決めることが出来る日銀の政策にもよりますが、これから先にまだ金利が下がり続ける事はほとんど考えられません。ほぼ間違いなく、金利上昇は起こるでしょう。
現在長期の国債を買う場合にはどういう事になるかと言いますと、毎年表面利率通りの利子は手に入れる事ができます。もちろん償還期限には、額面金額が返ってきます。ただし、途中で金利上昇が起こった場合を考えてみます。
銀行の預金や郵便貯金をしている場合では普通は低金利の定期は途中解約して、高金利になったその時の商品に乗り換えますよね。国債の場合は途中解約をしようと思ったら、市場価格で売却する事になります。
先ほど申しました様に、金利上昇は債券価格が下がる事を意味していますので、売却損が出てしまいます。普通の人はこの様になった場合では、まず満期まで保有することになると思いますので、他の人が高金利の金融商品で運用を始めても、国債を現在買ってしまった人はその部分は満期まで我慢し続けるしか出来ません。
したがって長期国債は現在の様な経済情勢では「買ってはいけない」事になります。現在長期国債は10年物で1.7%、5年物で1.2%の表面利率で、一見他の金融商品より有利に見えますが、止めておきましょう。特に郵便局の定額貯金の満期金の預け替えでは、郵便局員が国債購入を勧める場合もあると思います。断る勇気も持ちましょう。
また国債はうまく運用出来れば、非常に有利な場合もありますので、「買ってはいけない」状況から、「買ってよい」に変わる場合もありますので、誤解のないようにしてください。 |