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フィナンシャルプランナーの視点

個人年金

  今回は個人年金保険を取り上げます。これは生命保険会社から発売されている商品です。最近は変額個人年金という商品も出てきました。こちらは投資信託に似た設計の金融商品です。 今買ってはいけないのは、変額個人年金ではなく 従来からある(定額)個人年金の事です。この2つは名前は一字しか違いませんが、商品の性格は全く異なっています。

 定額型の個人年金は、生命保険会社がずっと販売してきた商品です。バブル期には中堅の生命保険会社がこの個人年金を高利回りを売り物にして大量に販売してしまいました。最近続く超低金利や株式市場の低迷で生命保険会社の運用成績は、この個人年金の利率を下回り続けています。この「逆ザヤ」が最近の生命保険会社の破綻の大きな要因になっています。

 したがって、現在生き残っている生命保険各社はこの個人年金では絶対に失敗出来ない状況です。つまり私達が加入しても、有利な商品ではありません。現在の長期金利程度のリターンしか期待できない訳です。 


 また最近では生命保険会社の破綻が相次いだ事から判るように、決して「安全確実」な商品ではありません。もし生命保険会社が倒れてしまった場合には金利低下はもちろん、場合によっては元本割れもかなりの場合起こる事が予想されます。どんな大手の生命保険会社でもこの先30年、40年先の事は誰も予想できません。個人年金はそのくらい未来のお金を生命保険会社に託す事になる訳ですから、かなりリスクを取る金融商品だと言う事はお判りいただけると思います。

 つまり、リターン限定、リスクはかなり高いハイリスクローリターンの金融商品になってしまっている訳です。
 さらに、もし運用期間中にインフレが起こったら、貨幣価値の下落に全くついていけません。破綻リスクとインフレリスクには無防備の商品です。


 これに対して変額個人年金は、どちらかというと年金と名前がついていますが、投資信託に性格が非常に似ています。同じ年金と言う名前ですが、商品としては全く違う物と考えた方が良いでしょう。投資信託と同じ様なファンドが生命保険会社により用意されていて、加入者がその中でどのファンドに投資(加入)するか決める仕組みです。そのファンド毎の運用成績により、受け取る事が出来る年金や解約返戻金の金額が変動します。したがって「変額」という名前がついています.

 10年以上の長期運用をお考えの方は投資信託よりも変額年金の方が有利な事が多いと思います。
 その最も有利な点は課税方法にあります。運用期間中には基本的に課税されずに先送りされます。解約時には一時所得として課税されますので、基礎控除があり、投資信託の20%分離課税よりかなり有利になります。
 またインフレが起こった時には、株価も上昇しますので、インフレのリスクにも対応する事が出来ます。

 ただし短期の資金運用には向きませんし、もし生命保険会社が破綻したら受け取る事が出来る金額が減額するでしょう。その点を良く研究してから変額年金に投資するのは悪くない選択だと思います。


ここで個人年金と投資信託についてまとめてみます。

定額型の個人年金
  ○年金額が安定している、元本保証有り
  △課税方法が有利(でも利率が低いからほとんど意味が無い)
  ×現在は運用利率が低い
  ×インフレには弱い
  ×保険会社が万一破綻したら利率が下がる
          
変額個人年金
  ○年金額は運用により受取額が大きくなる可能性がある
  ○課税方法が有利
  ○インフレに強い
  ×保険会社が万一破綻したら利率が下がる
  ×元本保証が無い

投資信託
  ○運用により大きく増やす可能性あり
  ×課税方法が不利
  ○インフレに強い      
  ○販売会社が万一破綻しても元利共に守られる
  ×元本保証が無い

この表を見て、どの商品が買ってはいけないかはすぐ判ると思います。

 
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